Metal 3のハードウェア仕様はA13 Bionic以上のiPhoneやiPad、Apple SiliconまたはIntel UHD Graphics 630以降のGPUを搭載したMacになっているそうです。詳細は以下から。
Appleは現地時間2022年06月09日日から開催した世界開発者会議WWDC22の中で、Apple SiliconのGPUとユニファイドメモリを利用し、より高品質でレイテンシーの小さいゲーム開発や、GPUアクセレーションを利用した機械学習トレーニングが可能なAPI「Metal 3」を発表しました。
Metal 3の新機能と互換性
Metal 3では、今年後半にもリリースを予定している「No Man’s Sky」や「バイオハザード ヴィレッジ」にも採用される、より小さく演算処理の負荷がより低いフレームをレンダリングし、その後、高品質な空間アップスケーリングと時間的アンチエイリアシングを適用できる「MetalFX Upscaling」、
ストレージからユニファイドメモリシステムまでのダイレクトパスを、より多く提供することで、豊富なテクスチャや複雑なディレールを読み込むローディングタイムを改善する、高速リソース読み込みAPI「Fast resource loading API」、
その他、Offline shader compilation、Mesh shaders、Optimized Ray Tracing、Accelerated Machine layeringなどが導入されると発表されていますが、
WWDC22のセッション「Discover Metal 3」によると、Metal 3のハードウェアサポートは、iPhoneがA13 Bionicチップを搭載したiPhone 11シリーズ/iPhone SE (第2世代)以降、iPadがA13 BionicとM1チップを搭載したiPad Pro/Air, mini、
Metal 3 is supported on all modern iOS, iPadOS, and macOS devices, including iPhone and iPad with A13 Bionic or M1 chips or newer, and all Apple silicon Mac systems and Mac systems with recent AMD and Intel GPUs.And to find out whether a given device supports Metal 3, use the supportsFamily query on the Metal device.
Discover Metal 3 – Apple Developer
そして、MacがApple SiliconまたはAMD Vega, 5000-series, 6000-series, Intel UHD Graphics 630, Intel Iris Pro Graphicsとなっており、Macについては、Metal 3のハードウェアサポート = macOS 13 Venturaのシステム要件となっているめ、
macOS 11 Big Sur |
macOS 12 Monterey |
macOS 13 Ventura |
|
---|---|---|---|
MacBook | 2015以降 | Early 2016以降 | 2017以降 |
MacBook Air | 2013以降 | Early 2015以降 | 2018以降 |
MacBook Pro | Late 2013以降 | 2017以降 | |
Mac mini | Late 2014以降 | 2018以降 | |
iMac | 2014以降 | Late 2015以降 | 2017以降 |
iMac Pro | 2017以降 | ||
Mac Studio | – | デフォルトOS | 2022以降 |
Mac Pro | Late 2013以降 | 2019以降 |
Appleは2018年にリリースしたmacOS 10.14 Mojave同様、「Metal 3」のサポートを、macOS 13 Venturaへのアップグレード基準の1つとしているようです。
おまけ
ちなみに、WWDC22でのMetal 3に関するセッションは10以上公開されており、「Target and optimize GPU binaries with Metal 3」では、昨年からAppleのMetalチームが開発に加わったオープンソースの3Dモデリングアプリ「Blender」のレンダリングエンジンCyclesの最適化や、
「Discover Metal 3」では、Apple SiliconのGPUとMetal 3を利用した機械学習の高速化事例として、Apple M1 Ultraチップを搭載したMac StudioでTensFlowが最大16倍、PyTorchのBERTモデルが最大6.5倍、ResNet50が最大8.5倍、DaVinci ResolveのMLベースツールの作業速度が最大5倍になったことをアピールしているので、興味のある方はチェックしてみてください。
- Discover Metal 3 – Apple Developer
コメント
iMac21.5のRadeon Pro 560Xはどこに入るのかよくわからないなぁ
一応metal3サポート機種ではあるみたいだが
一つ目の表、iMac Pro の記載が間違っていますね。2017のみでは。
ご指摘ありがとうございます。先程修正しましたので、WordPressのキャッシュがクリアされる夕方頃には修正されると思います。
>iMac Pro (2017)
MacBook Pro 2017の15インチはRADEON Pro 500シリーズ+HDグラフィックス630の組み合わせだから対象外なんだろうか。
13インチはIrisグラフィックだから対象なのに。
一方2018と2019の15インチはUHDグラフィックス630だから対象なんだろうけど、VegaにカスタムしなかったらdGPUは500Xシリーズだから、dGPUが稼働すると非対応になったりiGPUと同時稼働になってiGPUは休めなかったりするんだろうか。
細かいことだけど、いまいち対象チップが謎だなぁ。
性能よりは、世代で足切りしてるように見える。