Apple、高出力のエンジンを搭載したバイクが発生する振動によりiPhoneカメラのOIS/AFシステムがダメージを受ける可能性があるとしてユーザーに警告。

High-powered motorcycle engines might impact iPhone cameras Apple
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 Appleが高出力のエンジンを搭載したバイクで発生する特定の周波数の振動によりiPhoneカメラのOISやAFシステムがダメージを受ける可能性があるとしてユーザーに注意しています。詳細は以下から。

iOS 10のカメラアイコン。

 Appleは現地時間2021年09月11日、高出力のエンジンを搭載したオートバイク(バイク)などから発せられる特定の周波数の振動により、iPhoneのカメラの光学式手ぶれ補正(OIS:Optical Image Stabilization)やクローズドループ方式のオートフォーカス(AF:AutoFocus)システムが影響を受け、撮影した写真の画質が低下してしまう可能性があるとして、オートバイにiPhoneを搭載(車載)しているユーザー向けにサポートドキュメントを公開しています。

High-powered motorcycle engines might impact iPhone cameras

The OIS and closed-loop AF systems in iPhone are designed for durability. However, as is the case with many consumer electronics that include systems like OIS, long-term direct exposure to high-amplitude vibrations within certain frequency ranges may degrade the performance of these systems and lead to reduced image quality for photos and videos. It is recommended to avoid exposing your iPhone to extended high-amplitude vibrations.

Exposure to vibrations, like those generated by high-powered motorcycle engines, might impact iPhone cameras – Apple Support

 Appleによると、この問題は激しい高振幅の振動を発生させるハイパワー/大容量のエンジンを搭載したバイクなどで発生しているそうで、その振動がシャーシやハンドルを伝わりiPhoneカメラの撮影に影響を与えるとして、iPhoneをバイクに取り付けることは推奨できないとコメントしています。

iPhone SE (第2世代)のフロントカメラより、影響を受けたOISやAFを搭載したリアカメラの方が振動が反映されやすくなる例。

 また、Appleのサポートコミュニティによると、OISを搭載していないiPhone 6sをHonda Shadowのハンドルに取り付けていたErCareyさんが、iPhone XRを購入後、同じようにShadowのハンドルに取り付けたところ、iPhone XRのカメラの焦点が合わなくなり、5台のiPhone XRとカメラモジュールを1回を交換したものの、その後も同じ様な現象がおこったためAppleと協力してバイクの振動が問題だと突き止めたという報告を2019年に投稿しており、

iPhone Camera fail motorcycle

Appleもサポートドキュメントの最後で、高出力のバイクにiPhoneを取り付けることは推奨できず、小出力/電動の原付きやスクーターなどにiPhoneを装着する場合もOIS/AFシステムにダメージを与えるリスクを下げるため、振動対策済のマウントや衝撃吸収ダンパー(参考1, 2)を使用し長時間の利用は控えるようコメントしているので、バイク乗りの方は注意してください。

Attaching your iPhone to vehicles with small-volume or electric engines, such as mopeds and scooters, may lead to comparatively lower-amplitude vibrations, but if you do so a vibration dampening mount is recommended to lessen the risk of damage to your iPhone and its OIS and AF systems. It is also recommended to avoid regular use for prolonged periods to further lessen the risk of damage.

Exposure to vibrations, like those generated by high-powered motorcycle engines, might impact iPhone cameras – Apple Support

おまけ

 ちなみに、iPhoneの光学式手ぶれ補正(OIS)は2014年に発売されたiPhone 6 Plusと2015年に発売されたiPhone 6s Plusに搭載された後、iPhone 7以降では全てのモデルに搭載され、クローズドループ方式のオートフォーカス(AF)システムはiPhone XS以降で採用されています。

光学式手ぶれ補正(OIS)搭載のiPhone

光学式手ぶれ補正(OIS)搭載のiPhone オートフォーカス(AF)搭載のiPhone
  • iPhone 6 Plus*
  • iPhone 6s Plus*
  • iPhone 7
  • iPhone 7 Plus
  • iPhone 8
  • iPhone 8 Plus
  • iPhone X
  • iPhone SE(第2世代)
  • iPhone XS
  • iPhone XS Max
  • iPhone XR
  • iPhone 11
  • iPhone 11 Pro
  • iPhone 11 Pro Max
  • iPhone 12 mini
  • iPhone 12
  • iPhone 12 Pro
  • iPhone 12 Pro Max
  • iPhone SE(第2世代)
  • iPhone XS
  • iPhone XS Max
  • iPhone XR
  • iPhone 11
  • iPhone 11 Pro
  • iPhone 11 Pro Max
  • iPhone 12 mini
  • iPhone 12
  • iPhone 12 Pro
  • iPhone 12 Pro Max
*iPhone 6とiPhone 6sには光学手ブレ補正(OSI)は搭載されていません。また、iPhone 7 PlusとiPhone 8 Plusの広角カメラおよびiPhone 11, iPhone 11 Pro, iPhone 11 Pro Maxの超広角カメラにもOISは搭載されていません。

追記

 日本語のサポートドキュメントが公開されたそうです。」コメント欄でのご指摘ありがとうございます。

オートバイの高出力エンジンなどの振動を受け続けると iPhone のカメラに影響することがある

高出力または大排気量のオートバイのエンジンは、振幅の大きい激しい振動を生じ、シャーシやハンドルを通じて伝わります。高出力または大排気量のエンジンを搭載したオートバイは、特定の周波数範囲で振幅の大きい振動を生じるため、そうしたオートバイに iPhone を取り付けることは推奨されません。原動機付自転車やスクーターなど、低排気量のバイクや電気エンジンを搭載したバイクに iPhone を取り付けた場合、振動の振幅は比較的小さくなる場合がありますが、iPhone 本体や OIS/AF システムの損傷のリスクを軽減するため、防振マウントの使用をおすすめします。また、損傷のリスクをさらに回避できるよう、長期にわたる常用は控えた方がよいでしょう。

オートバイの高出力エンジンなどの振動を受け続けると iPhone のカメラに影響することがある – Apple Support

 また、来週発売されるiPhone 13のプロモーション動画にもiPhoneを原付バイクに装置する映像が出てきますが、そこには「走行中にiPhooneを使う場合は、この映像のように振動吸収ダンパーを常に使用してください。低出力二輪車のみで使用し、長時間の使用は避けてください。」という注意書きがされています。

走行中にiPhooneを使う場合は、この映像のように振動吸収ダンパーを常に使用してください。低出力二輪車のみで使用し、長時間の使用は避けてください。

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