Thunderbolt 3のUSB-Cケーブル規格は3種類。様々な規格がUSB-Cを採用することで混乱を招く可能性も?

Thunderbolt
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 Thunderbolt3のUSB-Cケーブル規格は3種類でUSB-C(USB 3.1 Type-C)ケーブルの流用も可能のようです。詳細は以下から。

USB-C-Connecter-Thunderbolt3

 昨日IntelはComputex 2015でThunderboltの次世代規格「Thunderbolt 3」を発表し「USB-C」ポートを採用したことで話題になりましたが、ImpressやITmediaの現地レポートやIntelが公開したKeynote(PDF)を見る限り多少 迷いそうな規格になっている様です。

ケーブルは3種類

 レポートによるとThunderbolt 3のUSB-Cケーブルは性能により以下の3種類用意されており、USB 3.1のUSB-Cケーブルを流用した場合はThunderbolt 2と同じ転送速度20Gbpsまでとなってしまうとのことで、(*Thunderbolt™ Updateの21ページ参照)

  1. Passive 20Gbps Copper Cable:USB 3.1のUSB-Cケーブルを使用した廉価版
    →転送速度20GpbsのThunderboltとUSB 3.1, DisplayPort 1.2をサポート
    →長さは最大2.0mまで
  2. Active 40Gbps Copper Cable:Thunderbolt 3専用のUSB-Cケーブル
    →転送速度40GpbsのThunderboltとUSB 3.1をサポート
    →長さは最大2.0mまで
  3. Active 40Gbps Optical Cable :光ファイバーを使用
    →Thunderbolt 3専用として開発中(長さは最大60m)
    →2016年に出荷予定

 Thunderbolt 3の40Gbpsの転送速度を使用するにはThunderboltのロゴマークの付いたActiveケーブルを使用する必要があるそうです(ActiveケーブルはUSB 3.1 Type-Cとの互換性は無し)。

Thunderbolt3-logo-cable

さらに高速な転送速度が必要ならば、対向となるデバイスがともにThunderbolt 3に対応しているという条件で、Thunderbolt 3の「Active」版ケーブルを利用することにより、最大40Gbpsの接続が可能になる。このActive版ケーブルは、USB 3.1 Type-Cとは互換性がない。
[USB 3.1 Type-Cとの共存で延命へ【詳報】 (2/3) – ITmedia PC USER]

実装はUSB-CのAlternate Mode

 Thunderbolt 3は「USB-Cのピンを他のプロトコル転送に使用できるUSB-Cの拡張仕様”Alternate Mode”」を用いて実装されているとのこで(具体的にはUSB Type-Cケーブル&コネクタ仕様P158 Fig 5-1の黄色いポートを使用できる)、

ジラー氏によればThunderbolt 3はシンプルにUSB Type-Cコネクタの拡張仕様となるAltモードを利用しているという。USB Type-Cではコントローラの内部で、プロトコルを利用する仕組みが用意されている。USB Type-Cコネクタには、物理的にUSB 3.1が2系統、USB 2.0が1系統のデータ信号線が用意されており、このうちUSB 3.1の2系統を、DisplayPortやMHLなどに切り替えて利用できる(この機能をAltモードと呼んでいる)。
[Intel、USB Type-Cコネクタを採用し、40GbpsになったThunderbolt 3を発表 – PC Watch]

 会場にはThunderbolt 3ケーブルを1つ接続しただけのノートPCから4Kディスプレイと外部ストレージを使用し、ノートPCに電源を供給するデモが行われていたそうです。

新しいコントローラ

 IntelはThunderbolt 3の為に新しいコントローラー「Alpine Ridge」を開発&出荷しており、Thunderbolt 3を使用するにはこのコントローラーが必要ですがIntelは今までの「Falcon Ridge」や「Redwood Ridge」の様に”Host Only”や”Device Only”とコントローラーを分けていないそうで、デバイスのコストアップも予想されています。

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ジラー氏によれば従来世代ではThunderboltのホスト/デバイス両機能を持つコントローラ以外にも、周辺機器用となるデバイスのみのコントローラが提供されていたが、Alpine Ridgeではホスト/デバイス両機能を持つコントローラしか提供されないという。このため、Thunderbolt 3に対応した周辺機器を製造するには、高価なホスト/デバイス両機能を持つAlpine Ridgeを採用する必要があるので、従来のデバイスのみのコントローラを採用している場合に比べてコストアップに繋がりそうだ。

[Intel、USB Type-Cコネクタを採用し、40GbpsになったThunderbolt 3を発表 – PC Watch]

2台の4K@60Hz+α

 Thunderbolt 3は最高で40Gbpsの転送速度になるため、2台の4Kディスプレイを使用(34Gbps)し、さらにSSDをデイジーチェーンで使用するといった使い方も可能で、もちろん5K@60Hzもケーブル1つで可能だそうです。

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*4096×2304 ×30bpp x 60Hz x 2台 ≒ 34Gbsp
*5120×2880 ×30bpp x 60Hz ≒ 36Gbsp

アダプター

 Thunderbolt 3は下位互換性はあるものの、USB-Cポートを採用したためUSB-CポートをThunderboltまたはThunderbolt 2ポートへ変換するためのアダプター「Thunderbolt 3 to Thunderbolt Adapter」も発売予定。

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[…]また、変換アダプタを利用することで従来のThunderboltのデバイスも利用することができる」と述べ、Thunderbolt 3が従来のThunderboltと最新のUSB Type-Cコネクタの互換性を実現する目的で策定され、従来のThunderboltのデバイスを所有するユーザーにも下位互換性を実現するとした。
[Intel、USB Type-Cコネクタを採用し、40GbpsになったThunderbolt 3を発表 – PC Watch]

おまけ

 Thunderbolt 3がUSB-Cポート採用したことで、ケーブルの流用が可能になり、コネクタの向きを気にする煩わしさも無くなりましたが、USB Implementers ForumのCOOであるJeff RavencraftさんはThe Vergeのインタビューに対して「USB-Cの発表は素晴らしいものとなった」としながらも、現在USB-Cポートが様々な規格で使用されていることに対し、

 「本当にこのケーブルはデータ転送や電力供給に対応していますか?貴方はこのケーブルでは正しいパフォーマンスや電源供給が得られないかもしれない。電源供給を得るためには対象のデバイスやUSB Hubのコントローラーが対応している事が必要で正しいケーブルも必要だ」といった例を上げ「私はこれらが混乱を招く可能性があると考えています」とコメントしており、Best Buyなどの量販店の店員に顧客に正確な情報を伝えられるようトレーニングプログラムを提供ししたり、粗悪なメーカーを取り締まる事もについても話したそうです。

How’s the USB-C rollout going? “We think it’s going great,” says Jeff Ravencraft, president and COO of the USB Implementers Forum,
[…]”I think there’s the potential for confusion,” says Ravencraft, whose forum publishes language and usage guidelines for both USB 3.1 and USB-C.
“You do not get performance with the cable, you do not get power delivery with just the cable. The cable is a conduit for those things, right? So to have power delivery, the device has to have a power delivery controller, the host or the hub has to have a power delivery controller, and then you have to have the right cable.”
The USB Implementers Forum offers training programs to help employees at retailers like Best Buy and Staples give accurate information to consumers, and is particularly aiming to crack down on “bad-actor” manufacturers that try to deliberately mislead.
[USB-C has already won – The Verge]

 IntelがThunderbolt 3を発表したことで、次世代MacBookシリーズにもThunderbolt 3が採用されると考えられますが、現在MacBook (Retina, 12-inch, Early 2015)に同梱されているUSB-CケーブルはUSB 2.0までの速度しかサポートしていなかったりするため、ユーザーは注意が必要になると思われます。

コメント

  1. Apple7743 より:

    USB-CはAppleが提案・開発した
    って話だからMiniDPからの乗り換えも頷けるが。
    今後はUSBとサンボルの位置が違うとか、ケーブルの規格が違うとかで面倒なことになるのかな?

  2. Apple7743 より:

    すでにUSB-C&USB 3.1の時点で10Gbps対応かどうか、給電可能かどうかで混乱してるから大丈夫。

  3. Apple7743 より:

    >ActiveケーブルはUSB 3.1 Type-Cとの互換性は無し
    これが今一理解できないんだが、誰か無知な俺にわかりやすく説明してくれ

  4. Apple7743 より:

    要するに端子の形だけUSB 3.1 type-Cと同じで中身はThunderbolt3のケーブルが出回るってこと?

  5. Apple7743 より:

    そう

  6. Apple7743 より:

    つまり、最大20GbpsでいいならThunderbolt3デバイス同士をつなげるのにも、USB-Cケーブルが使えるようになる。もちろんThunderbolt3ポートにUSB3.1デバイスをつなげることもできる。
    で、もっとスピードが必要なら、専用のアクティブケーブルが必要、と。これにはUSB-Cの形だけど、USBデバイスは繋げられない。

  7. Apple7743 より:

    > Active 40Gbps Copper Cable:Thunderbolt 3専用のUSB-Cケーブル
    > →転送速度40GpbsのThunderboltと『USB 3.1をサポート』
    つまりUSBデバイスを繋げずにUSB 3.1を使用するケースが存在するってこと?
    もしそうなら理解した。存在しないなら俺は未だにこの”サポートしているのに互換性はない”という矛盾を理解できない…。

  8. Apple7743 より:

    *7
    > Active 40Gbps Copper Cable:Thunderbolt 3専用のUSB-Cケーブル
    > →転送速度40GpbsのThunderboltと『USB 3.1をサポート』
    はThunderbolt 3のActiveケーブルを使用してThunderboltとUSB 3.1『プロトコル』をサポートって意味じゃないかな?
    USB 3.0がSCSIのプロトコルを使用してUASPを使用しているようなもんだと思う。

  9. Apple7743 より:

    なるほど、勉強になった。
    みんな、ありがとう!

  10. Apple7743 より:

    ケーブルは混乱を引き起こしそうだけど、端子はUSB 3.1と共用できるってことでいいのかな?
    となると次期MacBook Proは左にThunderbolt 3(USB 3.1)が3個、右に1個or現行のThunderbolt 2を置換になるのかな。正直現行のThuderbolt 2とUSBをそれぞれ2個は不満といえば不満だったからそうなってくれたら嬉しいけど、Thuderbolt 3(USB3.1)が2つだけとかにならないか非常に心配だ。

  11. Apple7743 より:

    本当にクズの作る企画なんて通すなよ。学ばないな

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