iPadをMacのセカンドディスプレイと利用できるmacOS 10.15 Catalina/iPadOS 13の新機能「Sidecar」のレイテンシは最小で数十ミリ秒に。

Sidecarの遅延時間テスト iOS13
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 iPadをMacのセカンドディスプレイと利用できるmacOS 10.15 Catalina/iPadOS 13の新機能「Sidecar」のレイテンシは最小で数十ミリ秒という非常に小さい値になっています。詳細は以下から。

Sidecarのアイコン

 Appleは現地時間2019年10月07日、iTunesをミュージックやPodcast、TVアプリに分け、サブスクリプション制ゲームサービスApple Arcadeや探すアプリをサポートしたmacOS 10.15 Catalinaを正式にリリースしましたが、

スクリーンミラーリング:Affinity Designer 1.7 with Sidecar sneak peek

このmacOS CatalinaとiPadOS 13の新機能であるiPadをMacのセカンドディスプレイとして利用できるようにする「Sidecar」のレイテンシーテスト(遅延時間)を行なってみました。

レイテンシーテスト

 レイテンシーテストの方法は以前利用/Astro HQが公開した方法と同じで、MacのディスプレイとiPadに同じカウンターを表示しその差を測定する方法で、今回はモートデスクトップアプリAnyDeskが公開しているAnyDesk Latencyを使わせていただきました。

一番左はiPadのスクリーンキャプチャで、右2つはスローモーション撮影(240fps)しています。

テスト環境

  • ハードウェア
    • Mac mini (2018) (macOS 10.15 Catalina)
    • 11インチiPad Pro (2018) (iPadOS 13.1.2).
  • ソフトウェア
    • Luna Display 3.0
    • Duet Display (Mac: 2.0.4.6, iPad: 2.0.9)
    • Air Display 3.2
    • Sidecar (macOS 10.15 CatalinaとiPadOS 13.1.2)
  • ネットワーク
    • 802.11ac 最大転送レート1300Mbps

 結果は以上の動画の通りで、AppleのSidecarはAstro HQが提供するLuna Displayとほぼ同じ10~20ミリ秒という低遅延でiPadにMacの画面を描写できていることになります。

Sidecarの遅延時間テスト

 もちろんこの値はベストエフォートの場合ですが、iPadOS 13ではApple Pencilのレイテンシーが最小で9ミリ秒となっているので、iPad上にMac用のペイントアプリを表示して利用しても数十ミリ秒の遅延でスケッチできるはずです。

おまけ

 AppleはこのSidecarのハードウェア要件をIntelの第6世代Coreプロセッサ「Skylake」を搭載したMacとApple PencilをサポートしたiPadシリーズと定めていますが、後者はiOS用SoC「A10 Fusion」を搭載したiPadと言いかえることも可能で、

Sidecar White Paper (PDF)

この条件はAppleがmacOS 10.13 High SierraおよびiOS 11以降でネイティブサポートしている動画フォーマットHEVC(High Efficiency Video Coding)/H.265」のH/Wエンコードの要件と一致します。

HEVC

High Efficiency Video Codingの概要

HEVC iOSデバイス Mac
Decode Support
8-bit Hardware Decode A9チップを搭載した
iOSデバイス
Intelの第6世代Coreプロセッサ
「Skylake」搭載のMac
10-bit Hardware Decode A9チップを搭載した
iOSデバイス
Intelの第7世代Coreプロセッサ
「Kaby Lake」搭載のMac
8-bit Software Decode 全てのiOSデバイス 全てのMac
10-bit Software Decode 全てのiOSデバイス 全てのMac
Encode Support
8-bit Hardware Encode A10 Fusionチップを搭載した
iOSデバイス
Intelの第6世代Coreプロセッサ
「Skylake」搭載のMac
10-bit Software Encode 全てのMac
Capture Support
8-bit Hardware Encode A10 Fusionチップを搭載した
iOSデバイス

 加えて、Sidecarを利用してMacのアクティビティでプロセスを確認してみると「SidecarDisplayAgent」と「SidecarRelay」というプロセスの他に、FaceTimeなどでも使用される”avconferenced”デーモンがiGPUを利用し始めるため、AppleはSidecarのHEVCエンコーダーにIntelのQuick SyncとA10 Fusionを利用しているのは間違い無いと思われます。

macOS 10.15 CatalinaのSidecarのレイテンシーテスト

コメント

  1. 匿名 より:

    T2チップ、dGPU、Blackmagic eGPUでのH/Wエンコードもsidecarは行うのか、とても気になります。

  2. 匿名 より:

    第1世代iPadもApplepencil対応ですが
    socはa10ではなくa9xです

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